その他の特性

加硫トチュウエラストマーの応力-歪曲線
加硫トチュウエラストマーの応力-歪曲線

トチュウエラストマーは天然ゴムと同様にイソプレンユニットを有するため、加硫処理を行うことが出来ます。
トチュウエラストマーに硫黄、加硫促進剤などを加えて混練し加熱すると、トランスポリイソプレンの分子鎖間に硫黄が結合し、ネットワークが生じます。このネットワークにより、ポリマーとしての強度が確保されます。

加硫トチュウエラストマーの含有量と弾性率
加硫トチュウエラストマーの含有量と弾性率

加硫したトチュウエラストマーの物性を調べると、加硫トチュウエラストマーは天然ゴムに比べて初期弾性率(ヤング率)、破断強度ともに高い一方で、破断時伸び率は天然ゴムがおよそ1800 %であるのに対し加硫トチュウエラストマーはおよそ500 %であり、加硫トチュウエラストマーは伸張性が低いものの、高い強度を有する素材となっています。

加硫トチュウエラストマーの形状記憶性
加硫トチュウエラストマーの形状記憶性

また、加硫したトチュウエラストマーは形状記憶性を持ちます。トチュウエラストマーを加硫時に、ある形状に成型加工しその後加硫したトチュウエラストマーを融点以上に加熱し、加硫時とは別の形にしたまま融点以下に戻すと結晶化が生じるためその形状が保持されます。
しかし、これをトチュウエラストマーの融点以上に再度、加熱すると結晶化が崩れて加硫時の形状へと復元が生じます。この融点が約60℃と低いため、比較的低温で容易に変形、加工できる形状記憶樹脂となります。